自分用メギドあらすじ10章

・ネタバレ

・独自の要約であるため正確さの保証なし

#97

八魔星のうちの二名、マモンとバールベリトはレシェ・クシオで議会の準備を進めていた。そこにサタンの遣いとしてフォルネウスが現れ、サタンの議会欠席を告げる。議会よりも優先すべき何かの示唆とベルゼブフが活動再開したとの情報から、新たな戦いの気配をマモンは感じ取る。

 

ベルゼブフの活動再開は、実は「妄戦ちゃん」というメギドの手によるものだった。

「妄戦ちゃん」とはガギゾンに改造されたメギドでる。ガギゾンは意思喪失状態のベルゼブフの治療のため夢見の者を創り出そうと妄戦ちゃんを改造したが、能力がうまく開花せず夢見の者にはなれなかった。ガギゾンは苛立たしげに彼女を手元から追い出したが、妄戦ちゃんはガギゾンに恩義を感じていた。

夢見の者にはなれなかったものの、もしかしたらベルゼブフの治療ができるかもしれない。そう思いついた妄戦ちゃんは、ふとベルゼブフに対して妄戦を試す。妄想の中で、ベルゼブフの記憶の中で存在感を放っていた憎い相手・アスモデウスを殺させたところ、誰もが思いもよらなかったことにベルゼブフは活動を再開した。しかしその状態は言葉も通じず、お世辞にも知性があるとは言えない状態だった。

飛び出したベルゼブフは妄想と現実の区別もつかないまま、ふと耳に入ったアスモデウス生存の情報を衝動の源として周囲のもとを飛び出し、アスモデウス複製体との戦闘(8章)直後のアスモデウスを殺害したのである。

皮肉なのは、ガギゾンもまたルシファーを使ってベルゼブフの覚醒を試みんとしていたことだ。しかし彼に先んじて妄戦ちゃんの手によりベルゼブフが目覚めたためにガギゾンは用無しとなり、フライナイツの指示を無視して単独行動をし、裏切り者となる結果を招いた。ガギゾンのためにしたベルゼブフの治療が仇をなしたことを妄戦ちゃんは気に病んでいた。その後ベルゼブフはガギゾンと遭遇しその保護を受けていたが、メギドラルに実体化した蛆の接触と誘いにより表面上の知性を取り戻して単身行動を開始する。取り残されたガギゾンはとある理由により意思を喪失した。ぼんやりと立ち尽くしていたところを通りすがりのメギドが善意から拾い、レジェ・クシオに連れて行ったところで、裁判所により拘束された。

妄戦ちゃんはレジェ・クシオでベルゼブフに出会い、治療についての感謝を伝えられる。礼をしたいと申し出られた妄戦ちゃんはガギゾンの助命を請い、その結果ベルゼブフはガギゾンをメギド72に移籍させることを決めたのであった。

 

議会参加のためレジェ・クシオに向かうメギド72の前に、意識喪失の四名を治療すると申し出る妄戦ちゃんが現れる。

妄戦ちゃんは議会から派遣された偽りを述べたが、その実、ガギゾンをメギド72に移籍させるためには軍団を無事レジェ・クシオ入りさせる必要があったことから、彼女自身の意思で接触してきていた。

妄戦ちゃんの能力を用いて患者とソロモンたち数名の意識を妄想の世界に接続し、そこで記憶の中のドラギナッツォやアンチャーター・ロクスを倒す追体験をすることで治療を行うことになった。

苦戦しつつも治療は無事成功し、四名は復活を果たす。レジェ・クシオに到着すると予定通りダゴンやオリエンス、加えてアルマロスにキーの提供を受け、いよいよ軍団メギド72はレジェ・クシオに踏み込んだ。

レジェ・クシオに入ったところで、ブネはウェパルやモラクスと共に議会前の諸手続きに出た。ブネやウェパルが目を離した隙に、ソロモンはバールベリトに声をかけられる。気さくな性格のバールベリトはレジェ・クシオを案内すると言い、ブネやウェパルの制止を振り切って半ば強引にソロモンを連れ出してしまった。バルバトスとパイモン、それに妄戦ちゃんはそれに付き添って行った。

 

マモンへの遣いを終えたフォルネウスはソロモンに会おうとレジェ・クシオをうろついていたが、メギド攫いに目をつけられてしまう。

 

ヴァイガルド側でも不穏な気配が発生していた。オリアスが姿を消したりフェニックスが召喚できなかったりと、消息を絶つメギドが発生しているのだ。

 

#98

レジェ・クシオに到着したルシファーは、八魔星の集まりに顔を出すと言って軍団を離れる。また、アスモデウスはメギドラル側が保有していると思われるアンチャーター(リヴァイアサン・ベルフェゴールが同盟脱退時に返還した分)の所在を気にしていた。

 

バールベリトはソロモンにメギドにとっての街の感覚を説明する。メギドにとって街とは「帰って寛ぐ場所」ではなく「用があって行く場所」、都市なのである。寛ぐ場所があるとしたらそれは個々のメギドが密かに持つ場所であるし、更に言えば居心地の良い環境を選ぶことこそすれど、特定の場所に固執することは稀である。

更に、バールベリトは「休戦季でもできる戦争がある」と言って、ソロモンをペリビット遊びに誘った。体よく負けて厄介者で粛清対象のガギゾンをメギド72に移籍させるのが目的であった。ソロモンとしてもむざむざとガギゾンを処刑させるのは後味も悪く、ゲームの勝敗のみにてノーリスクで彼を手元に引き取れるのであれば話に乗らない手はなかった。ルシファーを進行役に迎え、またベルゼブフの乱入を受け、更にアスモデウスの見物又は監視を受けながら、それでもソロモンは辛勝を手にする。とはいえ実際には、妄戦ちゃんの嘆願を受けたベルゼブフがガギゾンをメギド72に譲り渡すため、敢えて勝ちを譲ったものであり、その場にベルゼブフを連れてきたのも妄戦ちゃんであった。

 

一方その頃、リヴァイアサンダゴン、オリエンスとその配下メギドたち、そしてアムドゥスキアスは、ダゴン邸の浴場で楽しく寛いでいた。

 

#99

アンチャーターはもともと七つあり、大罪同盟の七名がそれぞれ一つずつ所持していた。内二つ、リヴァイアサンとベルフェゴールの所有分は、二名が大罪同盟を去る際に譲渡されアスモデウス預かりとなったのち、アスモデウス追放の際にベルゼブフの手に渡った。しかしベルゼブフが意思を失ったことにより、当該二アンチャーターは紛失した。アスモデウスの割当分は遥か昔、アスモデウスの手に渡ることすらなく既に起動されてファーストアンチャーターと呼ばれ、またベルゼブフ、サタン及びマモン所有分の合計3つーー合意の上バビロン計画実行の為に供出された分ーーはメギドラルによるヴァイガルド侵攻時(6章)に起動され、一つはメギド72により、一つはメギドラルの侵攻部隊により破壊されて凶星となった。一つは起動後メギド72に確保され、プルクラと呼ばれて王都に保護されている。また元々のルシファー所有分も起動され、偽のルシファーとして懲罰局局長を努めたのち、メギド72に追い詰められてヴァイガルドに逃亡し、その先でエウリノームに破壊されて凶星となった。(9章)

すなわち現在、アンチャーターの内二つは起動の上ヴァイガルドで生存中、三つは起動後破壊され凶星となり、二つは所在不明である。

ルシファーやベリアルと話し合いながら、アスモデウスは推測する。蛆派元々アンチャーター狙いであり、アンチャーターの多次元接続能力を応用して自らの世界を実体化しようとしていたのではないか。

 

ガギゾンは意思を失った状態でレジェ・クシオの裁判所に拘束されていた。拘束とはいえ、実質的にはフライナイツの粛清の手の及ばない場所に匿っておく、保護措置に近い。

 

裁判所にてフリアエからメギド攫いの噂を聞いたソロモンたちは、先程別れた妄戦ちゃんの身を案じ、フリアエも交えて彼女を探しに出る。しかし彼女は既にメギド攫いの手に落ちてしまっていた。メギド攫いの目的はハルマゲドン計画の一つであり、メギドの魂を植物に埋め込んだ上でヴァイガルドに繁殖させ、ハルマの干渉を誘いハルマゲドンを起こすことであった。妄戦ちゃんの前には、既にフォルネウスが魂を抜かれていた。

妄戦ちゃんの機転により、監禁場所に接近する一行。そこに異世界侵攻作戦総指揮官のプラトンが現れる。彼女はソロモンを妄戦ちゃんの監禁場所の心当たりに案内すると言い、その敵に塩を送るかのような発言に驚くソロモンに、ハルマゲドン計画の数の膨大さとその一部を知られることの他愛なさを説く。メギド植物化計画の研究所を暴いた一行は無事妄戦ちゃんを救出し、また計画担当者はプルトンの権限により、懲罰的に植物化させられた。

 

妄戦ちゃんを裁判所に連れ帰り、早速ガギゾンの意識と接続する。妄想の中でソロモンは妄戦ちゃんに、自分の推理した彼女の真意を確かめる。妄戦ちゃんは自分がガギゾンに縁ある改造メギドであり、議会の派遣ではなく、ガギゾンの助命と移籍のため自主的にメギド72に近付いたことを認めた。

ガギゾンの意識の中で、ソロモンはメギド体のようなモンスターを倒す。しかし生憎、それはガギゾンが自ら意識内に設置したダミー意識であった。意識を塞いで母なる白き妖蛆の意思干渉を避けるためのものである。

ベルゼブフが表面上意識を取り戻してしまい治療研究の必要性が認められない上に組織の指示に背いたことから、もはやガギゾンがフライナイツに戻っても裏切り者として処刑されるだけである。そこでガギゾンはソロモンの提案に乗り、いつかベルゼブフの「本来の意識」を取り戻すために、召喚とメギド72への移籍を受け入れた。

 

一方その頃、植物化計画に捕らわれていたフォルネウスはプルトンの原状回復の計らいにより無事心身を取り戻し、サタンとメギモンの元に戻っていた。そしてサタンは言う。今度こそ蛆を倒しベルゼブフを助ける、そうすればハルマゲドンなどという馬鹿騒ぎもおしまいだと。

しかし奮起した直後、サタンは信じがたいものを発見する。メギドラルに進行してきたハルマの大軍であった。

 

#100、#101

いよいよ議会が始まる。

メギドラルの統一議会とは、統一意思マグナ・レギオーー物質としては、光り輝くフォトンの塊ーーに参加する全メギドが魂を融合させ、皆がマグナ・レギオになることで行われる。

溶け合う全の中で、メギドたちは自身の戦果を心に描く。それは個が鮮烈に得た経験であり、全はそれらの経験からその意識を変化させる。より多くの印象を全に焼き付けられた個こそ勝者であり、メギドたちが平素行い個を淘汰する戦争も、マグナ・レギオに融けた先で行うせめぎ合いとしての戦争も、個を全に反映させるための手段である。戦争という手段を持たない個は、全にとっては変化や成長、生存戦略、未来を夢見ることをもたらさない個であり、無用のものとなる。

「遠い情景」とは、過去や現在から繋がる遠い未来を夢見ることなのである。

戦争により互いの思想をぶつけ合い、勝敗をつけ、社会全体で価値を見出すのだ。

議会を過ぎる多くの記憶の中には、示唆に富むものもあった。例えば、かつて死んだまつろわぬ者・リコレッキ(8章)によく似たメギドが発生しミマモラーなるメギドの軍団に拾われていた。またエルダーとはメギドが内なる声に呼ばれ、幻獣の肉体を脱ぎ捨てることで成ることができるが、失敗すれば幻獣の肉体に囚われ、知性も失って永遠に大幻獣としてさまようことになるとの噂をする古メギドもいた。

議会はソロモン王のイメージもまた受け取る。そして従来無視してきたメギドと幻獣の派生過程を直視し、ソロモン王の「メギドラルは生まれ直さねばならない」との思想に共鳴する。アムドゥスキアスが生まれ直したように、メギドとこの世界との関係性を壊し作り直すのだ。そのために、ハルマゲドンの計画は全て凍結する。

その結論を得たところで、統一議会は無事に終了した。

 

一方議会場の外では、ブニ、フリアエ、ガギゾンがベルゼブフの状態について議論していた。

一見まともになったように見えるが、今のベルゼブフは彼自身も自覚できないまま蛆の洗脳下にある。医師喪失状態や暴走状態では本来のベルゼブフの意識と蛆の操作する意識とが葛藤していたのだが、今や蛆の洗脳に敗北してしまったのだ。

 

またレジェ・クシオの外で待機している一陣の一部は、不穏な気配を感じていた。ロノウェ、プルソン、アロケルに加え、アルマロス傘下軍団にしてレジェ・クシオ警備の任を負うゲストレイス軍団員ネガティの協力も仰いで偵察に出ると、警備用幻獣が姿を消している。と、偵察隊はどこかから超長距離攻撃を受けた。敵襲である。

警備幻獣のロストとバリアの消滅は、それらを手配したプルトンの裏切りを示唆していた。

議決に高揚するメギドたちの上に、敵軍の砲撃が降り注ぐ。

 

またヴァイガルドでは、捕らえられたオリアスが、レジェ・クシオに対する攻撃を予見しながら止められなかったことを悔やんでいた。

 

#102

メギド72は、結果としてハルマニアに利用され、メギドラルを害してしまった。メギドラルが休戦季と統一議会で無防備になっているという防衛上の致命的な情報が、メギド72と王都を通してハルマニアに筒抜けになっていたためだ。ヴァイガルドを戦場にすることなくメギドを殲滅する機を伺っていたハルマニアがこれを逃すことはなかった。

直接の引き金となったのは、ソロモンたちが取り逃しエウリノームによって殺されたアンチャーター・ロクスが変じた凶星であった。メギド72の作戦は、ハルマたちから「失敗」と判断されてしまったのだ。そしてそれは、メギド72がハルマゲドンを止めるのを待つという「猶予」の終了を意味していた。

 

ハルマを攻撃すれば、メギド72は本来の防衛対象であるヴァイガルドを裏切ったことになる。しかしハルマに味方すれば、ソロモンが議会で得たメギドラル社会からの信頼と敬意を捨てることになる。どうしたらいいかも分からず、ソロモンはハルマの飛ぶ空を愕然として見上げることしかできなかった。

 

ハルマゲドンは進行する。

しばらく前、アジトとペルペトゥムを繋ぐポータルが封鎖され、異常事態を感じたガープ・ニバスはアマイモンへ危機を知らせるためコルソンとベルフェゴールをメギドラル側に送り出していた。間もなくハルマが現れ、一方的に二名へ投降を要求した。たった二名で勝ち目など持たない彼らは渋々無抵抗に降伏し、勾留に甘んじる。次いでハルマは攻め込んだ先のメギドラルからメギドを拉致し、ゲートのこちら側、ヴァイガルドで殺害する。これにより護界憲章は破棄され、ヴァイガルドを舞台とする戦闘も、ハルマがリスクと見なすソロモン及びメギド72軍団員の抹殺も可能となった。

ラソンとベルフェゴールはメギドラルに渡った先でアマイモンに接触し、危機を知らせた。しかし迎え撃とうとしたアマイモンの軍勢は圧倒的なハルマの大軍になすすべなく蹴散らされ、敗走を余儀なくされる。

更に別の場所ではサタンもハルマたちに応戦していたが、彼らもまた敗北してしまった。

揃って敗戦はしたものの、レジェ・クシオにハルマ軍勢が到達するタイミングを遅らせられたことはメギドラルに反撃の機会をもたらした。

すぐに撤退したことで被害軽微であったアマイモン軍団及びベルフェゴール・コルソンは、ボロボロになったサタンらを発見し救助する。ベルフェゴールはサタンに対して今回のハルマの侵攻がメギド72の意図したものではないことを説明し、またサタンは自分のハルマゲドン推進が、蛆からベルゼブフを取り戻すまでバビロン計画(これが成功すると用済みのベルゼブフが抹殺されることを恐れた)の足を鈍らせるための時間稼ぎであったことを明かす。

 

混迷を極めるレジェ・クシオを眺めるプルトンとベルゼブフ。ハルマは「大いなる意思」を奪おうとしていると推測した上で、母なる白き妖蛆の優位性を保つためには自分たちこそが「意思」を奪うべきだと話す。と、そこにガギゾンが現れる。「母なる白き妖蛆が方針を変えた(議会の直接支配に舵を切ったことを指すと思われる)」と話すプルトンに、ならば無用になったはずのベルゼブフを解放するよう迫る。プルトンは、ベルゼブフを必要としているのは計画ではなく蛆そのものであること、ベルゼブフが蛆の「究極の目的」なるものの鍵を握っていることを説いてベルゼブフは無用ではないと告げ、更にベルゼブフを促してガギゾンを攻撃させた。真の意識を取り戻させることだけが自分の目的だと力強く呼びかけるガギゾンに、しかしベルゼブフの真の意識が応えることは叶わなかった。

今にもとどめを刺されそうなところで、ガギゾンを監視していたシャミハザ・ジルベールが現れ攻撃を止める。

ガギゾンを攻撃する時、ベルゼブフの言動は怪しくなっていた。その錯乱はベルゼブフ自身の内面の葛藤を示唆しており、蛆の言いなりではない「真の意識」が健在であることを伺わせた。

プルトン・ベルゼブフがレジェ・クシオ襲撃の手引きをしたことをシャミハザが喝破すると、プルトンはあっさりとそれを認める。

そしてそのまま、四名は戦闘に入った。

 

#103

ハルマの攻撃の背後には母なる白き妖蛆がいた。何らかの方法でそれを誘導したのだ。蛆は、すべてのメギドを支配しヴィータ体のまま一生を過ごさせ、いつしか自分がメギドだったことをも忘れさせ、幻獣に食われるだけの生き物にしてやるのだと高笑いした。

 

絶望するソロモンを中心に苦悩するメギド72。そこでバラムが違和感を指摘する。ヴァイガルド防衛を掲げるメギド72、あまつさえ純粋なヴィータであるソロモンをもろとも殺すような攻撃を王都が黙認するのはあまりにも行き過ぎだというのだ。とすれば、攻撃決定の主体は王都ではなくハルマニアである。かつ、上空に戦力を滞留させて総攻撃を行わないことから、未知の目的があることが想像された。ハルマたちとの交渉の可能性を探るべく、ソロモンはマモンら議会中枢メギドのいるレジェ・クシオ中心部に戻ることにした。

のちに明らかになることだが、ハルマ勢力がソロモンの巻き込み上等で攻撃を開始したのは意図的なことであった。未知の目的ーー「大いなる意思」の奪取ーーの前に、ソロモンは大変にリスキーな存在であるからだ。マグナ・レギオ所属の唯一のヴィータである彼は、ヴィータであるが故に正面切っての抹殺には理由が立たず、しかしマグナ・レギオであるが故に「大いなる意思」の所有権を主張する可能性がある。このリスクを排するため、ハルマたちは敢えてソロモンへの投降要請の提示ができなかったふり(ソロモンが特定できなかった、とのちに言い訳をしている)をして、ソロモンもろともレジェ・クシオを攻撃したのだ。

 

中心部ではバールベリト、マモン、アルマロス、アスモデウス、ルシファーら有力者が戦況について議論を行っている。ソロモンたちと同じく、彼らもハルマが総攻撃に転じないことに違和感を持ち、未知の目的があることを推測していた。しかしいずれにしても勝ち目のない戦いである。マモンはレジェ・クシオを放棄し、集団で脱出して戦力の温存をはかることを決心した。

 

レジェ・クシオ中心部に戻ったソロモン王に、マモンはレジェ・クシオを脱出する「大いなる意思」の護衛を命ずる。ハルマの目的は「大いなる意思」の奪取であると見抜いたのだ。

任務には脱出ルート確保のダゴン軍団とオリエンス軍団、護衛として協同するシャドウ・ギャクソン軍団、陽動を兼ねつつ「大いなる意思」とは別ルートで脱出するアルマロス傘下軍団の名もあった。

またマモンとルシファー、バールベリト、リヴァイアサン、アスモデウスはレジェ・クシオに残り、敵勢力を足止めするという。

しかし悲しいかな、「大いなる意思」護送チームの動きはハルマたちに捕捉されていた。

 

プルトン・ベルゼブフとぶつかりあったシャミハザ・ガギゾンだが、圧倒的な力の格差になすすべもない。

プルトンとベルゼブフは、ハルマの動きから「大いなる意思」の護送が始まったことを察知し、自分たちの方がそれを奪おうと移動を開始する。

ガギゾンとシャミハザ・ジルベールは追いすがろうとするも、意に介されることすら叶わない。と、二名は偶然にも「意思」護送チームに遭遇し、合流する。

プルトンとベルゼブフは「意思」を護送する軍団メギド72や議会運営メギドを襲撃し、圧倒的な力で蹂躙する。プルトンはソロモンをまるでおもちゃにするかのように殴りつけ、ヴィータに転生した追放メギドたちを蔑む発言とともに、「ヴィータたちはコランを殺した」と謎めいたことを口にした。

一方、ベルゼブフの手によって議会運営メギドたちは殺され、「大いなる意思」は破壊されてしまった。

「大いなる意思」の破壊という敗北を感じ取ったソロモンは、プルトンに目を向けるとルシファーの記憶の中で見たことを口にする。プルトンはヴィータの愛を尊いと感じていたのではないのか、ヴィータになったベリアルを救いたいと言っていたのも、最終戦争など起こすべきではないと言っていたのも全て嘘だったのか。そう問うと、プルトンは激高しソロモンに対して殺意を垣間見せた。

プルトンとベルゼブフは去り、敗北したメギド72とハルマに撃墜されたメギドたちの死体がそこに残される。レシェ・クシオも「大いなる意思」も議会での成果も、王都との協調もヴァイガルドでの立場も全てを失ったとソロモンは絶望した。彼を鼓舞したのは、居合わせたニクー軍団長である。オリエンスの軍団との戦争に負け、心の通いあった副長も亡くして生きる気力を失っていたメギドだ。彼女は戦う意志を示し、ソロモンは逃げてすべきことを考えるべきだと叱咤した。

上空では、「大いなる意思」の崩壊により奪取作戦が失敗したことを認識したハルマたちが、メギドの殲滅に作戦目的を切り替えていた。

 

偵察に出ていたイポス、アモン、ウァレフォル、プルソン、アモン、ロノウェは、ハルマにより撃墜され深手を負ったネガティを背負いながらレジェ・クシオに戻ることにした。

 

ヴァイガルドでは軟禁状態のグレモリーとウァプラが、ソロモンの動向の分からない中で個々のメギドが各々の判断で行動し、結果として軍団メギド72が分断されることを憂いていた。彼らやアジトでの軟禁に甘んじている者たちは、ハルマと敵対してソロモンの立場を悪くすることや追放メギド全員が粛清対象とされることを危惧している。

 

アガレス、アミー、アンドラス、ヴィネ、エリゴス、オセ、オレイカルコス、ガミジン、キマリス、グラシャラボラス、ジズ、シトリー、シャックス、ネフィリム、ハーゲンティ、ブエル、フラウロス、ベヒモス、ボティス、マルコシアスラウム、ネルガルは、懲罰局戦争総力戦のために召喚された後ヴァイガルドに戻るべく、遠征本隊を離れ近くのゲートからヴァイガルドに渡っていた。

カスピエル、インキュバス、アガリアレプト、サキュバスリリム、タムス、アリトンは、カスピエルと懇意にする女の家に身を寄せていた。しかしリリムは眠ったまま目を覚まさない。

バフォメットは自身の村から逃げ、途中で鎮魂騎士団の助力を得て身を隠した。かつて葬送騎士団を名乗っていた者たちは海辺の街での一件を経てスタンスを転じ、鎮魂騎士団と名を変えて活動していた。今は密かに王都と協力関係を結び、ハルマの起こしたハルマゲドンからヴァイガルドを守るためにメギドたちを集め戦力として保護する仕事を負っている。また、「作戦顧問」として王都からデカラビアを送り込まれてもいた。

 

#104

アジト軟禁:アンドレアルフス、アンドロマリウス、ウコバク、カイム、グシオン、クロケル、サブナック、サラ、ゼパル、ハック、ビフロンス、フィロタヌス、フォラス、フォカロル、ベリト、マルチネ、ムルムル、メルコム、ルキフゲス

アジトの牢:アガシオン、インプ、スコルベノト、ティアマト、バラキエル、ブリフォー

ペルペトゥムで勾留:ガープ、ニバス

ヴァイガルド某所に監禁:オリアス

グレモリーの屋敷に軟禁後、アジトに移送:ウァプラ、グレモリー

トーア公国の牢に勾留:バールゼフォン(特殊メイクで変装したストラスの影武者とともに)

トーア公国で潜伏:ストラス

ヴァイガルドで逃亡生活①(王都):アガリアレプト、アリトン、インキュバス、カスピエル、サキュバス、タムス、リリム

ヴァイガルドで逃亡生活②:バフォメット、デカラビア(鎮魂騎士団のツレンの助力による)

ヴァイガルドで逃亡生活③:タナトス、フェニックス

ヴァイガルドで逃亡生活④:ニスロク

ヴァイガルドで逃亡生活⑤(エンゲルシュロス):サレオス、マルファス

ヴァイガルドで逃亡生活⑥:セーレ

メギドラル遠征隊:ソロモン、アスラフィル、アバラム、アムドゥスキアス、アラストール、イヌーン、ウァサゴ、ウァラク、ウェパル、ガギゾン、サタナキア、シャミハザ、ナベリウス、パイモン、バティン、バラム、バルバトス、ハルファス、ヒュトギン、ブネ、フリアエ、プルフラス、フルーレティ、ベバル、ベリアル、ベレト、マルバス、メフィスト、モラクス(※ベリアル・ベレトは議会参加のため、アイムは寄生幻獣焼却のためペルペトゥムより召喚された)

偵察先から本隊合流を目指す:アモン、アロケル、イポス、アロケル、ウァレフォル、プルソン、ロノウェ

アジト帰還の道中ヴァイガルドの森で迷子:アガレス、アミー、アンドラス、ヴィネ、エリゴス、オセ、オレイカルコス、ガミジン、キマリス、グラシャラボラス、ジズ、シトリー、シャックス、ネフィリム、ネルガル、ハーゲンティ、ブエル、フラウロス、ベヒモス、ボティス、マルコシアスラウム

その他:アルマロス・オリエンス・ダゴン(独自に自軍を率いてレジェ・クシオ脱出)、マモン・アスモデウスリヴァイアサン・ルシファー(・バールベリト)(八魔星及び有力者として防衛を指揮)、フォルネウス(サタンらに同行、召喚成功すればメギド72復帰の予定)、コラソン・ベルフェゴール・アマイモン(コルソン、ベルフェゴールはペルペトゥム陥落直前にメギドラルに赴き、アマイモン及びサタンと合流)

 

遠くからレジェ・クシオの陥落を見たサタンは、近くに来ていた「告げる者」兼黒い犬に、八魔星を含め可能な限りのメギドの救出を命ずる。サタンはハルマへの抗戦の意志を強く持っていた。

 

八魔星の一人であるプロセルピナは情緒不安定なメギドである。彼女はハルマ襲撃のことは知らず、議会に遅刻したことを嘆いてとぼとぼと歩いていた。しかし目の前にハルマが現れると、豹変し暴力的になって相手を破壊する。と、行きあったメギドが彼女に話しかけてくる。ミマモラー軍団のマッカーセイルであり、ハルマゲドンが起きたことを説明すると、リバイバイルをプロセルピナに任せてレジェ・クシオの戦場へと駆けていった。

プロセルピナはリバイバイルに正しいヴィータ体の構成方法を教えるが、上手く行かない。そのことから、リバイバイルが実は一度死んで蘇った者ではないかと推測する。リバイバイルもまた、リコレッキだった時の一瞬の記憶を朧気に思い出した。二名はレジェ・クシオに赴き、妄戦ちゃんの力を借りてリバイバイルの記憶を紐解くことにした。

 

ソロモンたちは住処を失った妄戦ちゃんを拾いつつ、敗走の失意の中荒野を歩いていた。

 

タナトスは消えた死体の噂に興味を持ってアンチャーター・ロクスか破壊された村を訪れていた。そこにフェニックスも姿を現す。ハルマの監視下に入ることをフェニックスは促すも、それはタナトスのスタンスを確認するためのブラフだった。拒否を返すタナトスがフェニックスに刃を向けると、反抗の意志は十分としてフェニックスは真意を伝える。フェニックスは、いずれ来るであろう反撃の時にソロモンの元へ参じるため、バロールと協力し「メギド狩り」と称して戦力集めを行っていたのだ。またタナトスの前にはサルガタナスにも接触していた。

ニスロクは単身逃亡している。

グレモリーとウァプラはアジトに移送された。サブナックはバンキン族の安全を案じて自主的にアジトに戻った。ビフロンスは世相のひりつきを感じ取り、自主的に徒歩でアジトに現れた。ゼパルは騎士団の説得に渋々従い、ルキフゲスやクロケルは騎士団の甘言に乗り、グシオンは父親の手前抵抗もできず、アジトに移動した。ハックとマルチネはハルマにキャトルミューティレーションされる牛を追って共々収容され、アジトに移送された。ストラスとバールゼフォンはトーア公国の牢に大人しく入れられたらしい。が、ストラスは影武者である。

シャックスたちアジト帰還中迷子組はハルマに捕捉され、ヴィネの同行を要求された。

ヴィネはハルマに従って攻撃機に乗り込み、他の面々はハルマと同じ方向に走る。爆撃を危惧してのことだったが予想は当たり、彼らのいた場所は間もなく火の海となった。メギドたちは待機していた騎士団に接触し、投降の形で保護を得た。ただし反抗心を持つ一部のメギドーーガミジン、エリゴス、オセ、オレイカルコス、ボティス、ネフィリム、キマリス、シトリー、ハーゲンティ、ネルガル、ベヒモス、アガレス、フラウロスーーは投降の一団に加わらず、身を隠して逃亡生活に入ることにした。

 

アジトではアガシオンがポータルキーを盗み出したことを契機に、アガシオン、インプ、スコルベノト、ティアマト、バラキエル、フィロタヌス、ブリフォーが脱走を試みる。がむしゃらにポータルに飛び込んで星間の禁域に投げ出された彼らは、メギドラルに帰りたい一点において、思わぬことに大幻獣ポルターガイストの共感を得る。ポルターガイストに乗ったメギドたちは轟音と共にポータルのゲートをこじ開けてアジトへと引き返し、もとい乗り込んできた。

アジトを突っ切ってヴァイガルドの空に飛び出したポルターガイストとメギドたちは、「メギド狩り」中のフェニックスに遭遇する。しかしインプたちを制圧し味方に引き込もうとするフェニックスの思惑は、背後に忍び寄っていたアマゼロトにより阻止された。反抗的な傾向のメギドばかりを襲っては懐柔するフェニックスの動きを訝しみ、エリゴスの身を案じて(?)襲いかかり真意を問うてきたのだ。

結果としてアマゼロトはフェニックスと共闘することになりはしたものの、その間にインプたちはどこかへと飛び去ってしまった。

鎮魂騎士団のツレンとバフォメットはとある村を訪れ、「作戦顧問として鎮魂騎士団に出向中」のデカラビアを拾い、また、そこでエウリノームの噂を聞いた。作戦顧問というだけあって、デカラビアは王都と鎮魂騎士団の動きにもよく通じている。団員のハーフェンがハイルング村に向かったが、どういうわけかソロモンは現れず「合流計画」は失敗に終わったという情報を持っていた。

 

騎士団の情報によると、エウリノームは「お父さん」を名乗りながらヴァイガルド各地を渡り歩き、幻獣や犯罪者を排除して回っているらしい。

 

ハルマとプロセルピナとの戦いに巻き込まれたリバイバイルは、呆気なく絶命していた。

 

アンチャーター・プルクラは王都に保護されていた。そこでエルプシャフト王より二つの予言について聞かされ、ヴィータの主体的抵抗を見届ける立会人になると宣言する。

 

数百年前、三つの予言があった。一つ目の予言では、空に三つの凶星が輝き、伝説のハルマが空を横切ってゆく。予言者ファティマは、この戦争に巻き込まれてヴァイガルドも滅ぶのだと言葉を紡いだ。

二つ目の予言では、ハルマニア版「エクソダス計画」が語られる。最終戦争勃発後ごく一部のヴィータがハルマニアに迎えられ、コールドスリープに入るのだ。最終戦争により荒廃したヴァイガルドの環境が回復する1000年後に備えるためであり、残された大部分のヴィータは戦火の中で死に絶える。予言の中で、ハルマはヴィータの生き死にも種族的運命も文明も、全てを家畜のようにコントロールしていた。

三つ目の予言は、漠然としつつも希望であった。若い二人が並び立つ時、勝算が生まれるというのだ。

聡明で注意深い予言者ファティマは自らの見た二つ目、三つ目のイメージのことを誰にも言わず、当時のエルプシャフト王にだけ上奏した。王はその情報を、歴代の王とシバの女王にのみ口伝し、特にハルマには自分たちが情報を持っていることを悟られないよう注意することを決めた。

 

#105

ハルマに従ったヴィネは、エンゲルシュロスの民衆にエクソダス計画をーーさも素晴らしいことであるかのようにーー説明する。それを影で見ていたサレオスとマルファス、そしてコラフ・ラメルのマスターは、ヴィネの演説が本意ではないことを見抜いていた。

セーレは追手の騎士団が一緒に冒険しているものと信じ、ヴァイガルドの遺跡を駆け回っていた。

 

ソロモンたちの前に現れたハルマが、ソロモンの処刑を言い渡す。罪状はこじつけじみていたが、実際のところ、レジェ・クシオ攻撃前にソロモンに投降要請を投げかけなかったという手順の不手際を有耶無耶にするため、ソロモンの抹殺を目指していたのだ。そのため今回も、投降すら認めない問答無用の対応である。絶体絶命の瞬間、ハルマとメギド72との間に立ちはだかったのは馴染みの顔にしてヴァイガルド最上位管理官の肩書を持つハルマ、ミカエルであった。ハルマニア独特の形式的処理や条件の応酬の末ハルマ側の落ち度を認めさせたミカエルは、ソロモンに投降の有無を尋ねさせる。ソロモンは「判断は保留」とこれまた形式的回答を返し、その場から逃げ去ることにした。

ミカエルを交えた交渉のさなか、ソロモン王が見せられたガブリエルからの投降要請の中には暗号じみたハイルング村の名があった。特段縁深いわけでもないその村の名が示されることに違和感を覚えた一行は、ガブリエルがメッセージに秘めた意図について考察する。

ハイルング村はソロモンとシバが初めて会った場所である。そこで、攻撃隊のハルマにも悟られたくない意図があり、ソロモンとシバとの会合を必要としているのだろうとソロモンは勘付いた。しかしソロモンは、共闘の申し出がメキドラルに敵対的である限り、それを拒むことにした。彼の中で方針は既に決まっており、それはメギドラルとヴァイガルドどちらにもつかず第三の立場を作り出した上で、メギドラルを救うことによりハルマゲドンをも防ぐというものであった。

回答保留をしたソロモンにハルマが追いすがる。いよいよ追いつかれたところでソロモンが第三の立場を主張し投降を拒むと、ハルマは攻撃の手を向ける。二体に挟撃され死を覚悟した時に、ふいにインプたちを乗せた大幻獣ポルターガイストが現れた。ポルターガイストの砲撃によりハルマ二体は撃墜される。

力尽きたポルターガイストの墜落地点にソロモンらが向かうと、インプたちアジト脱出組がいた。大きな怪我もなく、無事に合流することに成功する。

一行の前にまたもやハルマが現れる。しかし、そのハルマは先程ポルターガイストが撃墜した個体と同じ内容の投降要請を投げかけてくる。そのことから、ハルマ間に劣化フォトンを原因とする通信障害のあることが判明した。

通信障害がある、つまりハルマ同士が情報を共有できないのであれば、遊撃と確実な各個撃破を続けている限り、投稿要請に対するソロモンの回答は「保留」のままである。であればソロモンの立場を反ヴァイガルドに確定させることなく、メギドラルに布陣したハルマ勢力を削ぎ、戦線をヴァイガルドまで押し返すことができる。メギドたちが反転してヴァイガルドに攻め込まない限り戦況を膠着させることが可能であり、そのメギドによるヴァイガルド侵攻については、これまで通りソロモンが阻止すればよいのだ。勝算を得たソロモンの声に力がこもる。

戦闘の直前、ソロモンはハルマに対し、自分への投降要請をはじめ伏せていた理由を問う。ハルマの回答により、「大いなる意思」の所有権を主張し得るソロモンを抹殺したい意図があったことや、そのために投降要請を伏せた手順の不手際を事後的に不問にするため処刑を強行しようとしていたことが判明した。

 

一方、シバたちにもソロモンの協力を必要とする目的があった。ハルマがエクソダスのためにヴァイガルドを滅ぼすのを防ぐことだ。相談のためソロモンに接触する術を模索する一同に、アンチャーター・プルクラはこちらからメギトラルへ会いに行くことを提案した。

 

大幻獣とともにメギドがアジトを脱走したことは反乱と見なされ、ハルマ側の姿勢を強硬化した。ハルマたちはシバに対してメギドの発見次第の抹殺、及び発見済でアジト収容中のメギドの順次の処刑を主張し、シバの反対も意に介さない。むしろメギドラル遠征隊の背後を衝かれることや、護界憲章破棄後のヴァイガルドへのメギドラルからの侵攻を懸念し、ヴァイガルドに拠点を持つメギド72の抹殺の正当化のため、敢えて彼らに圧力をかけていたようにも見えた。シバは、メギドたちヴァイガルドから一時避難させる手立てを講ずるための時間的余裕が少ないことを実感した。

 

アジトに軟禁中の面々もまた、未だ逃亡中の者たちの身の危険を案じていた。インプらの「反乱」によってメギドが抹殺対象になったためである。王都への恭順を拒むのであれば、せめてメギドラルへ逃げた方が良いだろう。それを促すにしろ恭順を諭すにしろ、まずは接触と伝達が必要だ。手段として、アンドレアルフスは飛空艇メルクリウスの利用を提案しシバに貸与を打診した。建前こそ「メギドラルに渡航しソロモンを連れ戻すため」だが実際には本当にメギドラルに行くつもりはなく、真意は、未だアジトに集まらないメギドをおびき寄せるためである。目立つ兵器を駆り出すことで、逃走中のメギドたちがそれを奪いに現れることを期待したのだ。

逃亡者たちが(自分たちのヴァイガルドにおける生存の)後ろ盾であるソロモンと合流するためメギドラルへの渡航手段を求めていたのであれ、あるいは王都寄りメギドによるソロモンのヴァイガルドへの連行を阻止しようとするのであれ、メルクリウスは是非押さえたい兵器に違いない。戦闘、ひいては軍団分裂覚悟の作戦である。

使者の騎士団員を通じて提案を聞いたシバの女王は、そこから得たインスピレーションに膝を打つ。メルクリウスの操作に必要な指輪の力は自分が振るう、つまりアジトの者たちと共に、自分もメルクリウスに乗ってメギドラルに赴き、ソロモンに会ってすべての情報を共有しようというのだ。勢いづいたシバの女王は、メルクリウス機械機構部分の操作のため、逃亡中のタムスを秘密裏に捜索するよう命ずる。

 

その頃、アジトの屋上で景色を眺めていたアンドレアルフスは、騎士団員にハルマが紛れ込んでいることを見抜いたがために拘束されてしまう。フォトン状態でハルマ用攻撃機に収容する形である。拘束されながら、アンドレアルフスは自分の出した案がハルマに漏れていたこと、それ故にアジトのメギドも逃亡中のメギドもまとめて抹殺する格好の機会をハルマに与えてしまったことを悔やんでいた。彼がメルクリウス作戦の提案者であり、ハルマにとって利用価値があるが故その場で殺されなかったことだけが不幸中の幸いである。

アンドレアルフスの連れ去られたのち、カラスのマックロウの騒ぐ声に誘われてルキフゲスが現れ、その場に残された蝶番を見つける。それはマルコシアスの孤児員の扉の修繕の際に出た廃品で、アンドレアルフスがカラスと戯れるため弄んでいたものであった。

 

メルクリウス作戦のため、王都勢力は騎士団を王都市内より退かせる。これを好機と女の家を出たカスピエルらは、王都外に通じるヒルフェの地下道を進んでいた。タムスの背に負われたリリムは一向に目を覚まさず、寝言でしきりにリリスの名を呼びかけている。そこに、シバの密命を受けたダンタリオンが現れた。

 

コラフ・ラメルのマスターは、店で得た情報ーーアジトにソロモンにとって大切なものが運び込まれようとしているーーをサレオス・マルファスに共有した。

鎮魂騎士団のツレンの手を借りて逃亡生活中のバフォメットは、デカラビアと合流していた。とある人物(多分シバの女王)から「一つ目の切り札」として紹介され、鎮魂騎士団に受け入れられたらしい。鎮魂騎士団の組織力をもってハルマの目を避けながらメギドたちを集め、ハイルング村に連れて行ってソロモンに合流させるという計画も把握していた。二人はツレンより、王都からアジトに飛空艇が移送されるようとしているとの情報を得る。デカラビアはハイルング村集合の手筈が狂ったことを推測しつつ、敢えて流布されたメルクリウス移送の情報こそ、ハルマたちの張る罠を掻い潜ってメルクリウスに乗り込みメギドラルへ逃げよという王都の指示であることを見抜いた。

ガミジンらもまた、立ち寄った酒場でメルクリウス移送の情報を得ていた。それが罠であることを見抜きながらも、他に手がない以上罠を強行突破してメルクリウスを奪うことを決める。

 

ハルマとの戦闘を制したソロモンらは、ハルマが仄めかしていたアジト粛清の可能性やインプたちの脱走を受け、ヴァイガルドに残した面々の身の安全を案じる。だが、ハルマの各個撃破による戦線回復という役割を見つけたソロモンたちは、彼らの健闘とシバの誠実さを信じるしかなかった。気持ちを切り替え、遊撃しつつレジェ・クシオ脱出組との合流及び召喚阻害の除去を目指す行動に移る。

 

メギドラルのあるところで、まつろわぬ者たちが騒いでいた。横たわっていた死体に突如フォトンが巡り、起き上がったのだ。その死体は誰にともなくリバイバイルと名乗り、「何度でも蘇る。でも、なんのために?」と呟いた。

 

#106

アジト軟禁:アミー、アンドラス、アンドロマリウス、ウァプラ、ウコバク、カイム、グシオン、グラシャラボラス、グレモリー、クロケル、サブナック、サラ、ジズ、シャックス、ゼパル、ハック、ビフロンス、フォラス、フォカロル、ブエル、ベリト、マルコシアス、マルチネ、ムルムル、メルコム、ラウム、ルキフゲス

予言回避のための抵抗勢力として集結:アマゼロト、オリアス、サルガタナス、ストラス、タナトス、バロール、フェニックス

王宮:アガリアレプト、アリトン、インキュバス、カスピエル、サキュバス、タムス、ダンタリオンリリム

ペルペトゥムで勾留:ガープ、ニバス

トーア公国の牢に勾留:バールゼフォン(特殊メイクで変装したストラスの影武者とともに)

ヴァイガルドで逃亡生活:①アガレス、エリゴス、オセ、オレイカルコス、ガミジン、キマリス、シトリー、ネフィリム、ネルガル、ハーゲンティ、フラウロス、ベヒモス、ボティス、②バフォメット、デカラビア(鎮魂騎士団のツレンの助力による)、③ニスロク、④サレオス、マルファス(エンゲルシュロスでコラフ・ラメルマスターと共に)、⑤セーレ(その気なく)、

メギドラル遠征本隊:ソロモン、アイム、アガシオン、アスラフィル、アバラム、アムドゥスキアス、アラストール、インプ、ウァサゴ、ウァラク、ウェパル、ガギゾン、サタナキア、シャミハザ、スコルベノト、ティアマト、ナベリウス、パイモン、バティン、バラキエル、バラム、バルバトス、ハルファス、ヒュトギン、フィロタヌス、ブネ、フリアエ、ブリフォー、プルフラス、フルーレティ、ベバル、ベリアル、ベレト、マルバス、メフィスト、モラク

サタンやメギモンと行動:アスモデウス(意識不明)、アマイモン、イヌーン、コルソン、バールベリト、フォルネウス、ベルフェゴール、マモン、リヴァイアサン、ルシファー

レジェ・クシオ脱出後潜伏:アモン、アルマロス、アロケル、イポス、アロケル、ウァレフォル、プルソン、ロノウェ

その他:オリエンス・ダゴン(独自に自軍を率いてレジェ・クシオ脱出)、アンドレアルフス(フォトン状態でハルマにより拘束)、ヴィネ(ハルマの傀儡に甘んじ王女として活動)、プロメテウス(ライブで絶えず人前に姿を見せることでハルマや騎士団の敬遠を得る)、アスタロト(単身アジトを目指し、拾ったハルマ攻撃機に搭乗)、アザゼル・ウヴァル・ザガン・フルカス・フルフル・レラジェ(デカラビアに声をかけられハイルング村に潜伏)

 

時はやや遡り、オリアスである。いちはやく捕らえられた彼女のもとに、シバ付きメイドのルネが現れて状況を説明する。オリアスの予言が王家の知るファティマの予言と同じ内容であった場合、それをソロモンが知れば、まず間違いなく王都とハルマに敵対する。またオリアスが自身の予言を周知することにより、ハルマの計画をヴィータらが知ったことをハルマに察知されてしまう。それでは、ハルマを出し抜いてヴィータ全体が生存せんがためにファティマの予言を隠し通してきた王家の努力が水泡に帰してしまう。だからこそ、オリアスはーーハルマではなくーー王都によって捕らえられ隠されたのだ。

王都の真意を知り態度を軟化させたオリアスは、ルネに自身の見た予言のイメージを話す。それはハルマによってソロモンが攻撃され、平和への糸口を失って絶望している場面である。

ルネが去る間際、オリアスは新たな予言のイメージを見る。王家への認識が変わったことで予言の歯車が整ったのであろう。イメージの中では誰かが苦しんでおり、そしてホワイトアウトののち、フェニックスの姿が垣間見えた。苦しみの場面は恐らく、王家の動きがこじれ失敗に終わった先の「もう一つの絶望」である。そしてそれを回避する鍵がフェニックスなのだろう。絶望の未来を退けるため、オリアスはサンにフェニックスを探し連れてくるように頼んだ。

サンは見事役割を果たし、オリアスのいる牢へとフェニックスを連れてきた。既に自身でもメギドの戦力を集めていたという彼は、その言葉通りサルガタナス・アマゼロト・タナトス・アリオクと行動を共にしていた。見張りの騎士団員を蹴散らして脱走した一行は、反撃の狼煙を胸中に上げた。

フェニックスの「メギド狩り」すなわち挑発的にハルマへの恭順を促し、拒否を示した者たちを味方に引き入れる活動は、バロールの発案によるものだった。支配されることを嫌う者たちであればハルマや王都が捕捉できなくとも怪しさは無く、密かに一勢力として集まっていることを把握されにくい。かつ、これらの者は真っ先にハルマの粛清対象になるであろうから、その前に一手に集まる方が安全である。

凶星の出現から間もなく、友人のヴィータ(前トーア公?)からハルマがエクソダスを計画し一部の貴族に声をかけ始めている旨の情報を得、そこからハルマゲドンの危機を察したバロールはいち早くフェニックスに接触した。そしてソロモンのために、彼の軍団員に関する知識を活かして「メギド狩り」をしようと提案したのだった。

フェニックスやオリアスたちが牢を脱出したところに、サンがフェニックスに続いて連絡に走っていたバロールも合流する。オリアスは一行に、自身の見た「絶望の未来」の具体的なビジョンを話す。それは、アジトで追放メギドたちが虐殺され、ソロモンはヴァイガルドと決別するというものだった。そして、時はもうすぐそこまで迫っていた。一行は軟禁中の仲間を救出し逃がすため、アジトを襲撃することに決める。

トーア公国で、ストラスは影武者(特殊メイクを施した鎮魂騎士団員?)を立てることにより収監を免れていた。予めバロールに声をかけられていた彼女は、フェニックスの集めた面々と合流する。彼女が隠し持っていたトーア公国設置のポータルキーが、彼らのアジト襲撃の文字通りの鍵である。

機能を止められたポータルキーはサルガタナスによって起動される。アジトのポータルから脱出した際の出口となるそのキーは、アリオクが別行動の上安全な場所に持っていくことにした。

 

オロバスは自身の庵にて思わぬ者の訪問を受けていた。エウリノームである。旧知の二名は毒茶を飲みながら談笑し、エウリノームがお父さんを目指していることやフライナイツを抜けようとしていること、オロバスがーーメギドラル時代は頑なにどの軍団にも属さなかったのがーー成り行きでメギド72に所属していることなどを報告しあった。エウリノームがオロバスを訪ねたのはメギドラルに帰る道を尋ねるためだったのだが、近場に心当たりのないゲートの位置の代わりに、オロバスはメルクリウス稼働の噂を話して聞かせた。

二人のもとに、更にサレオスとマルファス、コラフ・ラメルのマスターが訪ねてくる。メルクリウスを奪うか便乗するか、対応を相談したいのだという。

 

シャックス、マルコシアス、ブエル、ジズ、ラウム、アミー、グラシャラボラスアンドラスは、騎士団の馬車によりアジトに集合した。

 

ダンタリオンによって王宮地下に誘われたカスピエルらは、そこで稼働を止めた護界憲章を目にする。バエル(コラン)とプランシィもそこに匿われていて、護界憲章復活の可能性を求め調査を行っていた。姿を現したシバとガブリエルは、自分たちヴィータ指導者階級の目的であるこの世界の存続にとって、最早メギドラルを滅ぼすことは意味をなさないことを語った。ハルマニアがエクソダスとその後のヴァイガルド滅亡を計画しており、メギドラルの滅亡はそこに至るまでのステップに過ぎなくなってしまっているからだ。よってシバの女王たちは、ハルマニアへの対抗勢力としてメギドたちの力を必要とするようになっていた。メギド殲滅によりリスクを排した上でヴァイガルドの存続をハルマに交渉することもできたかもしれないが、シバの心情はそれを受け入れなかった。友人になれるかもしれない者たちを殺すことなどしたくないと話す言葉は、偶然にもレジェ・クシオ攻撃直後のソロモンの叫びと内容を同じくしていた。

なお、シバが追放メギドたちを召喚することによってソロモンに代わり後ろ盾となることは難しい。何故ならばシバはハルマニアに赴く機会もあり、敵対勢力であるメギドを召喚可能な状態でハルマニアに行くことは、シバの女王の反乱と取られかねないからだ。エクソダスを決めた今のハルマニアにとって、最早シバの女王は重要ではない。彼女の粛清をためらいはしないだろう。しかしヴァイガルドにとっては、世界防衛の中心でありハルマニアとの交渉手段を持つシバの女王を失うわけには行かないのである。

シバは状況を整理する。そもそもアジト軟禁とて、当初は大袈裟な監視を意図したものではなかった。穏健派、あるいはヴィータとして地位を持つため表立って過激な行動のできないメギドはアジトに集まってハルマの目を引きつける役割を担い、その他の者たちはソロモンとの合流を手配した上でメギドラルに逃がす計画だったのだ。しかしハルマゲドンは想像以上の衝撃をメギドたちに与え、ソロモン不在による不安も手伝って、非穏健派のメギドたちの行動を過激にしてしまった。その結果が今の分断状態である。

次なる策としてシバの女王はメルクリウス作戦のことを一行に話す。決戦の地はファンゲン荒原という地になると予想された。カスピエルは、襲ってくるであろうメギドたちの説得要員に心当たりがあると言って一人チームを離れる。時間の余裕もないため、彼は走るメルクリウスに直接合流することになった。

 

ガブリエルたちの予想どおり、ガミジンらはファンゲン荒原でのメルクリウス襲撃を画策していた。

 

メルクリウスに乗り込むため移動を始めるアジト組。ただしブエルやジズ、アンドロマリウス、ウコバク、サラは争いを嫌い、アジトに居残っていた。またマルコシアスも、アンドレアルフスは王都に先行したとの情報に違和感を持ちアジトに残っていた。アンドレアルフスのものであるはずの孤児院の壊れた蝶番が落ちていたことに、勘がざわついたのだ。屋上を調べて回るマルコシアスに、騎士に擬態したハルマ・キガエルが声をかける。それを騎士ではないと喝破したマルコシアスにキガエルは襲いかかろうとした。しかし、カラスのマックロウの体当たりで一瞬の隙が生まれる。それを見逃すマルコシアスではなかった。バリアに守られた本体ではなく、攻撃機を狙って杭を打ち込む。すると、その衝撃により不具合を起こした攻撃機が、異物として収容していたアンドレアルフスを吐き出した。すかさず攻撃に転じたアンドレアルフスは、キガエルを屋上から突き落とす。そこにマルコシアスが杭の追撃をかけ、どうにかハルマを倒すことに成功する。

アンドレアルフスはハルマにメルクリウス計画を利用されていることに焦燥するが、既にメギドたちは出発してしまっている。またアジトに残った数名にも、ハルマたちの凶刃が迫る。

少女たちは敢闘するも、ハルマの前には時間を稼ぐことしかできない。と、そこに現れたのはバロールやフェニックスら「メギド狩り」チーム改めアジト救援チームである。腕に覚えのある彼らはあっという間にハルマを蹴散らし、サルガタナスの起動させたポータルからの脱出を成功させた。

 

もぬけの殻となったアジトにアスタロトが現れる。役に立ちたい一心で単身歩いてきたのだ。空回りぶりを愚痴りうろつく彼女は、そこで打ち捨てられたばかりのハルマの攻撃機を見つける。天才メカニックの直感でマシンのコントロール権限を握ったアスタロトは、高揚のまま飛び立った。行き先は予めマシンに記憶されていた攻撃地点、ファンゲン荒原である。

 

アジトは救われたが、危機はまだ去らない。ハルマたちはメギド集結の地・ファンゲン荒原へと進路を向けた。

 

メギドラルではアマイモン・サタンら一行と麾下のメギドたちが、落ち延びてきたレジェ・クシオ死守隊のマモンやリヴァイアサン、ルシファー、バールベリトにイヌーンらを救助する形で合流していた。また、アマイモン・コルソンの同盟者としてジニマルも集団に加わる。

アスモデウスもいたものの、特別奮戦した彼女は戦闘のダメージが大きく意識を失っている。リヴァイアサンやルシファーいわく仮死状態であり、魂は失われていないという。アスモデウスの個の強さがなければあり得ない現象である。復活には、ソロモンによる召喚が最も可能性を持っているだろう。

アマイモンとサタンは、ハルマゲドンの危機下において休戦と対ハルマ共闘の協定を結んだ。決死の徹底抗戦に湧く中央のメギドたちを透徹した目で眺めながら、アマイモンはひそかに、決死のその先のことを考えていた。現社会体制や知見の蓄積が失われた後に発生する無知で無垢なメギドは、きっと今以上に「母なる白き妖蛆」の格好の傀儡となるだろう。皮肉なことだと自嘲しながらも、アマイモンはメギドラル社会が勝利し生き延びるためのもうあとひと押しとして、議会の復活を思い描いた。

ハルマの追撃を避けるため、ベルフェゴールの発案で一行は棄戦圏に逃げ込む。フォトンが薄くそれ故に手負いの者たちの生存に不利な棄戦圏は残党狩りをするハルマの捜索において優先順位が低いものと見込んでのことであったが、実際この目論見は当たり、アスモデウス以外のメギドたちは多少の余裕を取り戻していた。

 

偵察に出ていたイポス、ウァレフォル、アモン、ロノウェ、アロケル、プルソンがネガティと共にレジェ・クシオに戻った時には、そこはとうにハルマの手に落ちていた。イポスらもハルマに襲われかけるが、ネガティの軍団長であるゲストレイスによって助けられる。

 

とある場所でハルマを相手に苦戦していたバンジット軍団のトビー軍団長とトメラニアン副団長。そこに遊撃中のメギド72が現れる。通信障害を補完するため斥候的な役割を担っている小型機を破壊することでハルマの勢いを削ぐことができると分析を深めていたメギド72は、戦っていたメギドたちにも助言と援助を与え、反抗戦力を集め再編成することを主張した。合わせてアルマロスらレジェ・クシオ脱出勢や抗戦の中心にいた八魔星のことを尋ねるも、これについての情報は得られなかった。サタナキアはレジェ・クシオ死守隊が敗走後に棄戦圏に身を隠した可能性を提示したが、実のところ、これは全く正鵠を射ていた。

世界の懸かった戦いに高揚してか、皆リジェネレイト後の姿をとるようになっていた。

遊撃を続ける中で、メギド72は次第に苦戦を強いられるようになってゆく。ハルマたちが対策を打ってきたのだ。サタナキアはそれを「対臨界戦術」と名付けた。とてもめんどうくさい。個の勝利を求めるものから種族としての生存か殲滅かを問うものへと、戦争の質がメギドラルにおいて変わってきているのだとブリフォーやサタナキアは分析した。

休憩中召喚を試したソロモンは、ジャミングをすり抜けてアスモデウスの存在を感じ取る。今回に限らず難易度の高い召喚がふいに成功する瞬間は「召喚特異点」と呼ばれることとなった。ジャミングの穴すなわち「召喚特異点」があるということは、メギド72に勝算を感じさせた。

イメージを強化する妄戦ちゃんの力も借りて、再度ソロモンが指輪に力を込める。と、遠く離れた棄戦圏にて、コルソンの見守る中、アスモデウスの体が僅かに動き、そして突如両目を見開いた。深く沈んだ意識の底から、アスモデウスは私を呼んだかと応える。針の穴を通すがごとき召喚により、空にフォトンの道が通る。そこを、フォトンとなったアスモデウスが輝きながら一直線に駆け抜けて行った。召喚成功、更にアスモデウスリジェネレイトである。

 

アルマロスを中心とするレジェ・クシオ先行脱出組は、とある洞窟に潜伏していた。そこに麾下軍団長のゲストレイスが、ネガティとメギド72のイポスたちを見つけ保護したことを報告する。なお、洞窟への退避時には迎撃を請け負うバチクソ撃破団にハルマへの対応を任せ、近場の遺跡を経由する目くらましをしつつ逃げてきたという。バチクソ撃破団についても、ここは幻獣を主な構成員とする軍団であるが、全滅を偽装し脱出してくる手筈としていた。

アルマロスは、ソロモンについて厳しい態度を見せる。「大いなる意思」の護衛に失敗したまま生死も行方も不明である状況下において、もし生きていたとしたら責任が問われる立場であるからだ。仮に生きていたとして、重大な任務に失敗したソロモンに対してメギドラル中から逆風が吹く中、信頼を回復するには途轍もない戦果が必要とされる。

 

#107

アスモデウスの召喚に成功したソロモンらは大まかな方向に検討をつけ、アスモデウスを救助したメギドラル残存勢力との合流を目指すことにする。

 

ペルペトゥムでは、ハルマの布陣を突破しメルクリウスに黒き門を突破させる方法を思案していた。今はペルペトゥムの自警団長を務めているオーセルは、住民を守る立場にある以上表立ってハルマに敵対的な行動は取れないものの、「逃げようとするガープらを止めようとしてオーセルが倒される」筋書きを偽装する形で協力し、ガープの逃亡を助けることになった。

 

ガミジンらはヴァイガルドの工房にいたネビロスを味方に引き入れていた。デカラビアとバフォメットは、予めデカラビアが声をかけていたレラジェ・ザガン・ウヴァル・フルフル・フルカス・アザゼルとファンゲン荒原で合流した。アクィエルも友達に会えるかもしれないと一人ファンゲン荒原に到着していた。

 

シバとサキュバスたちを乗せたメルクリウスはいよいよ走り始める。ファンゲン荒原までの道程はおよそ三日だ。また、相変わらずリリムは目を覚まさない。アガリアレプトはその様子に首を傾げていた。中立を保つため夢見の者たちから行動を制限されているのは正しい推測であるとして、何故メギドラルとハルマニアとの戦争で中立を保たねばならないのか。実は夢見の者の「中立」とは、メギドラルにおける各軍団の間での中立ではなく、もっと違った対立軸における中立なのではないか。とすれば、夢見の者が中立を意識する何者かが、この戦争に一枚噛んでいることになる。

と、そこに突然セーレが現れた。走るメルクリウス身軽に乗り込んできたのだ。いつの間にか追手の騎士団員と仲良くなり、馬で連れてきてもらったらしい。父も製造に関わった飛空艇の稼働に立ち会うことにセーレは興奮する。更に、補給地点の村でフォカロルたちアジト組も合流する。

 

メギドたちはいよいよファンゲン荒原に集まってくる。荒原で立ち尽くしていたアクィエルは、敵対的な行動もなくメルクリウスに歓迎される。

いよいよ襲撃の時である。馬に乗ったガミジンら襲撃隊がメルクリウスに接近し、戦闘が始まる。

 

ハルマたちもまたファンゲン荒原に集まってくる。上空からの攻撃が始まり、現場は騒然とする。

フェニックスらアジト救援隊も馬車でファンゲン荒原に近付いていた。途中でカスピエルと「助っ人」ロキを見つけたため、オリアスが二名を乗せて箒で先行することにする。

メルクリウスの噂を聞いて集まっていたメギドたちーーミノソンとグザファン、またセタンタ・ゲイボルグーーもまた、ハルマへの攻撃に入った。

アスタロトはイイヨエルとしてハルマ軍勢に紛れ込み通信に聞き耳を立てている。

機を伺っていたデカラビアは仲間たちにメルクリウス及びメギドたちの防衛を命ずると、自身もマキーネを操って迎撃を開始した。バフォメットはガミジンたちをメルクリウスに誘い込むことを任務とする。

戦闘の中でバフォメットら一行とガミジン一行は完全に合流する。しかし、ガミジンの疑心はなかなか晴れない。

オリアスとカスピエル、そしてロキがようやくメルクリウスに現れる。ロキの「音楽に乗ると本心を歌う」特性は、疑心に沈んだ襲撃隊を説得するための切り札となる。

ロキの歌唱のため停止したメルクリウスに、ミノソンとグザファンが乗り込む。

ロキが歌った本心は見事襲撃隊に届いた。ガミジンたちは疑心を払い、次々にメルクリウスに乗り込んでゆく。更に、フェニックスらアジト脱出隊の馬車もそこに到着した。

アジト脱出隊の到着、すなわちほぼ全メギドの現着は、しかしハルマたちの総攻撃開始の合図でもあった。カマエルがトラクタービームで回収されそうになる。それを邪魔したのはボティスの銃であった。ビームの出力を一時的に落とし、カマエルはメルクリウスに残ることに成功する。これにより、メルクリウスが攻撃対象となるリスクは減じた。またふとした会話の中で、ボティスは「デミウルゴス」なるメギドへの復讐心が自分の中にさして残っていないことを感じた。

最後に、船から突き落とされたゼパルとフォカロル、そしてアンドラス、キマリス、ベヒモスネフィリム、更にギリギリで王都で合流を迷っていたサタナイルが騎士団の馬で追いつきメルクリウスに乗り込む。取りこぼしのない、完全な再集結である。

ヴァイガルドに残ることを選んだユフィールやプロメテウス、バールゼフォンも、仲間がハルマゲドンを止めてくれることを信じて船影を見送った。

 

空中でハルマが交渉のため近付いてくる。カマエルを回収し、メギドたちを殺すというものである。カマエルは反対するも交渉は決裂し、以後、カマエルの存否に関わらずメルクリウスは攻撃対象となる。

初撃はイイヨエルもといアスタロトが身を挺して受け止める。ダメージ甚大につきアスタロトは機体から排出され、攻撃機は爆発した。次弾を止めたのはエウリノームである。八魔星の圧倒的な戦闘能力により次々とハルマを撃墜してゆく。

困惑する一行の前に、エウリノームの背からマルファス、サレオス、オロバスが飛び降りてくる。エウリノームは助力の条件としてメギドラル帰還のためのメルクリウス同乗を求め、メギド72はそれを了承する。

 

ペルペトゥムでは、ハルマが気絶したオーセルを発見していた。「メギドを誘拐しようと侵入した鎮魂騎士団に襲われ、薬を嗅がされて気を失った。メギドたちはハルマには逆らわないと主張していたが、鎮魂騎士団に連行された」筋書きによるものである。その頃、ガープとニバスは鎮魂騎士団の協力を得て脱獄していた。作戦には凧を使うという。大量の凧を揚げてハルマの目を眩ませるのだ。そして、その凧のうちのひとつに結びつけたゴンドラにガープとニバスが入り、メルクリウスに引っ掛けて回収されるのを待つ。作戦内容は伝書鳥によってメルクリウスに伝わっている。

 

メルクリウスがペルペトゥム上空に差し掛かる。ミノソンが目印付きの凧を見つけ、ガープたちの乗るゴンドラは見事メルクリウスに引き上げられた。また、上空で奮戦するエウリノームも合図(ジズとブエルのお父さんとの呼び声……)に応え船に降りる。デカラビアは王都から貸し与えられたソロモンの指輪を装着し、シバと共にメルクリウス加速のためのフォトンを送り込み始めた。

エウリノームは、誰もが帰る場所を持ち、帰る場所はまた他の誰かが守ってくれる、そんな世界に価値を見出したと語った。

 

メギドラルでは、サタンが生き残りメギドの救助を続けている。彼は本当の敵を見極めるべく意識を研ぎ澄ませていた。

 

ソロモンは夢でリリスに会う。彼女は対立のバランスが崩れ、母なる白き妖蛆が勝ち、夢見の者の中立が成立しなくなると告げた。夢見の者の中立とは、蛆とカトルスとの間の中立であったのだ。そして蛆の勝利の前に、伝えるべきことがあるのでソロモンをエルダーに会わせると言う。

 

#108

シバは、指輪を使ってソロモンを召喚するつもりだという。召喚ジャミングをすり抜けるには、攻撃隊ハルマの配置交代のタイミングーー目に見えるタイミング、すなわち日の出もしくは日の入りーーを狙うのが有望そうだ。

 

ソロモンたちは落ち延びたメギドたちを受け入れるサタンの軍勢を発見する。合流を逸るソロモンを、しかしアスモデウスは諌めた。経緯や真意はどうあれハルマゲドン派であるサタンに対しては慎重であるべきだというのが理由の一つ、そしてより大きい理由として、サタンの軍勢は規模や参加者の名声こそあれ、(議会などの)特段の正当性を持たない私設軍団に過ぎない。そこに合流することは、議会運営メギドや「大いなる意志」の護衛に失敗した責任を、サタン個人による断罪を受け入れるという意思表示に等しい。そしてサタンとしても、他のメギドたちの手前、護衛の失敗の責任を問わずにいられる立場ではない。また加えて、いち私設軍団であるサタンの軍団に参加・賛同を示すことはメギド72の独自性を危うくするリスクがある。よってアスモデウスは、失敗を挽回したと言えるだけの功績を上げるか、あるいは状況が変わるまでは、メギド72/ソロモンの生存をサタンに隠すべきだと主張した。ソロモンもそれに納得し、とはいえ情報収集のため、行動を共にしていたバンジット軍団にスパイを依頼することにした。

遊撃行動を再開したある朝、皆の目の前でソロモンがにわかに姿を消す。シバによる召喚が成功したのだ。

ソロモンは仲間に会えたことに感激し、その向こうにいたシバと手を取り合う。若い二人が並びたち、ファティマの第三の予言が成ったのである。

メルクリウスに乗ったソロモンたちは残してきたメギドラル遠征隊に無事合流を果たす。

ソロモンの夢の中でリリスは蛆の勝利を予言したが、実際のところ、いかにハルマの駆逐とメギドラルの支配を実現するつもりなのか。恐らくその手段はアバドンである。プルトンにとっては、ハルマゲドンのためだと言ってアバドンの収集と起動準備を進めることは容易である。ハルマの侵攻を誘導しメギドたちを心理的・肉体的に打ちのめした後でアバドンによりハルマに大打撃を与えれば、打ちひしがれたメギドラル社会で求心力を発揮し新体制を打ち立てることなどわけないのである。

今後の方向性を全体で打ち合わせ、メギド72とシバらは攻撃隊ハルマの降伏を目指すことにした。まず、どうにかして攻撃隊ハルマに敗北を悟らせる。そこにシバが救援の体で現れ、彼女が指揮を取るヴァイガルド防衛隊に攻撃隊ハルマを勧誘する。メギドラルの逆転勝利が確定している時点でこれをすることにより、メギドラルで玉砕するよりは、反転し攻めてくるメギドをヴァイガルドで迎え撃つほうがハルマニアにとっての利益となる、という計算が成立する。

妄戦ちゃんの能力により、リリムを目覚めさせることもできた。

 

打ち捨てられた攻撃機に乗り込んだカマエルは、思わぬ内容の通信を聞く。数百人規模のヴィータ(恐らくはペクス)が存在しているというのだ。ヴィータへの攻撃を許されていないハルマたちは、ヴィータに紛れたメギドによる攻撃に対して反撃の術を持たない。ベルゼブフによる反攻の開始である。

また棄戦圏に身を寄せるサタン軍勢の前に、プルトンが姿を現した。ハルマへの反撃のため兵器を取りに来たと語るプルトンに、サタンはベルフェゴールの居場所を尋ねる。両者が接触しようとしていることを、トビー軍団長は密かにソロモンに連絡する。

 

メギドの反攻の開始とプルトンのアバドン回収は、ハルマをシバの指揮下に入れ撤退させる作戦の残り時間が少ないことを意味していた。

メギド72は、ベルゼブフによるハルマ撃退の戦いに参加便乗することにする。一部のメギドはメルクリウス防衛のため残り、ソロモンは本隊を指揮する。補助的な動きをする遊撃隊はアスモデウスを中心に組織することにした。カスピエルやメフィストも撹乱のための挑発を行い、実質的な戦闘を純正メギドであるバロールやオレイらに引き継ぐ。また、ソロモンの本隊に参加しない追放メギドは小型機の対処に当たることにする。アンドラスは後方で医療支援を担当し、ダンタリオンは戦場を共にする他の軍団との連絡を行う。サタナキアは後方で統括指揮を担う。

予想通り、サタンの軍勢も戦闘に合流していた。また、数多くのアバドンも戦場を闊歩している。

 

カマエルは拾った攻撃機で出撃し、ハルマを救援しつつシバの女王への帰属を促す。その際にメギドたちへ攻撃を加えることになるが、マッチポンプを攻撃隊ハルマに悟られないためにはやむを得ないとソロモンらも了承している。アバドンの起動と攻撃隊ハルマによる護界憲章の破壊は、圧倒的な戦力のリスクにヴァイガルドが晒されていることを意味しており、ヴァイガルド管理体制のカマエルの介入に正当性を持たせた。

しかし攻撃隊ハルマは撤退に同意せず、敗北はメギドラル遠征の失敗に直結しないと言う。真の目的はメギドラルの殲滅でなく、未知の「第四界」(蛆の精神世界のこと?)からの侵略すなわち(及び?)「大いなるバビロン」についての調査なのだった。そのために、ハルマニアへの帰還ルートも確保されている。

真の目的を知ったカマエルは、改めて撤退を促す。メギドラルにおける情報の在り方とは、記録し共有するものではなく、個の価値を維持するため知識として限られた者の中に留められるものだからだ。レジェ・クシオの調査は恐らく徒労であり、またメギドを殲滅すれば情報は永遠に失われる。よってハルマは撤退し、メギドを「生かさず殺さず」ヴァイガルドを挟んだ膠着状態を維持しながら、改めて情報を探し集めるのを待つべきだと説得した。メギドラル攻撃隊は納得し、メギドラルからの撤退とシバの女王への帰属を決定した。

獅子奮迅のカマエルを目にしたメギド72は、それとは知らず接近する。メギドラルにおける地位回復のための戦果に飢えるメギド72にとって、目立つ個体の撃破は魅力的であったためだ。多くのメギドそしてハルマの眼前で戦いを避ければ、マッチポンプは明らかだ。両者は覚悟を決め、全力の戦いになだれ込んだ。

 

ハルマの去りつつある戦場で、一際大きな声をベルゼブフが上げる。彼は「大いなる意志」を持っていると語った。破壊されたそれとは別の、密かに複製されたもう一つの「大いなる意志」である。「大いなる意志」が二つあったことに衝撃を受けるソロモン。しかし、全てはこの瞬間のためだったのである。もう一つの「大いなる意志」を確保した状態でレジェ・クシオを滅ぼしそこにある「大いなる意志」を破壊することで、「もう一つ」を持つ自分こそが唯一の支配正統性持つことができるのだ。

エルダー主導であったアルス・ノヴァ前体制を滅ぼし打ち立てられたマグナ・レギオ体制。それを滅ぼし今にも打ち立てられんとしている「蛆」支配。遡ればこの戦いは、「最初のメギド」にしてエルダーであるアルス・ノヴァと蛆との間に始まっているのである。

サタンとベルゼブフがついに邂逅する。ベルゼブフはサタンを「新世界」すなわち大いなるバビロン後の世界に誘うも、サタンは回答を避ける。彼は密かにベルゼブフが本来の彼ではないことを見抜いていた。サタンがかまをかけた「猫」の話がそれを証明していた。サタンは今のベルゼブフをして「異物が混ざっている」と表現した。

プルトンもまた旧知のルシファーを「新体制」へと誘う。ルシファーはそれに答えず、逆にプルトンへと彼女が単身無防備にサタンの軍勢の前に現れた理由を問うた。無言のプルトンに、それは社会への試し行動であり、怒り狂ったメギドたちに殺されなかったことにより行動のための力を得たのだろうとルシファーは指摘する。「試し行動」を繰り返すプルトンを、ルシファーは「すべきことを終え空っぽの体を無理に生かそうとしている」と表現した。プルトンはそれに、愛を知りそして失った時、「あの裏切り」があった時自分の目的もまた失われ、今は恨みそして最後の結末を見たいという思いのみにて生き永らえていると答えた。

 

ソロモンはマモンに、自分はサタンとは合流せず独自の方策を探ると告げた。マモンはそれを受け入れて任務失敗の責任追及を快く保留し、イヌーンにソロモン同行を命じた。ソロモンはメルクリウスを起動させ、数々の謎の中に勝算を見出すべく、「脳消し大陸」へとエルダー探しの旅に出ることにする。また興味と情報交換のため、エウリノームも同行することになった。

一方その頃、グリマルキンは「猫戦争」のため単身メギドラルを訪れていた。