【ネタバレ】自分用メギドメインスト7章あらすじ

#61

アルス・ノヴァの儀式を経て議席を得たソロモン王は、議会から招待を得る。そこでメギド72は、議会参加とソロモンの見聞のためのメギドラル遠征を決行することにした。

メンバーは以下の通り(五十音順):

アムドゥスキアス、アロケル、アンドラス、イポス、インキュバス、ウェパル、エリゴス、カスピエル、ザガン、サタナキア、サブナック、サルガタナス、サレオス、シトリー、シャックス、シャミハザ、セーレ、ナベリウス、パイモン、バエル、バティン、バラム、バルバトス、ハルファス、ヒュトギン、ブニ、ブネ、フリアエ、プルソン、プルフラス、ベリト、ボティス、マルコシアス、マルファス、ムルムル、メフィスト、モラクス、ラウム、レラジェ、ロノウェ

一方で、フォカロルやアンドロマリウスなど王都に留まりコラフ・ラメルの連絡役を担うメギドもいる。


遠征に際しては、マラコーダから陣地内での拠点設営承認と携帯フォトンの提供を得た。マラコーダがヒュトギンを使者として提示してきたものである。提供された陣地は棄戦圏であり、これはフォトンの希薄になった、メギド社会にとって悲しく無価値な土地である。

 

先遣隊として進むソロモン、レラジェ、モラクス、ロノウェ、プルソンは幻獣を深追いし、ブネに滅茶苦茶怒られる。

 

#62

森を見つけた一行はその近くに拠点を設けることに決める。しかしある時、貴重な物資である携帯フォトンが何者かに盗まれてしまう。

ソロモン一行がそこに拠点を構えていることがメギドラルで知れ渡れば、襲撃のリスクは跳ね上がる。そこでブネの指揮のもと、犯人の徹底的な探索が計られる。

犯人はアライグマのような幻獣に見えたという目撃情報に反応するサブナック。転生前共生関係を築いていた幻獣かもしれないと、探索隊に名乗りを上げる。果たして確かに犯人はサブナックの見込みどおり、幻獣のバンキン族であった。

 

#63

メギドへの警戒心を暴走させた彼らを制圧した後、その処遇を巡ってブネとソロモンはぶつかり合う。幻獣は例外なく殺すべきだと主張するブネと、意思疎通が取れて「魂の存在を感じる」相手は虐殺すべきではないと主張するソロモン。睨み合いの末、折れたのはブネだった。翌日、想像以上に軍団に貢献するバンキン族を眺めながらブネはソロモンに伝える。幻獣はメギドの「なり損ない」のはずであり、メギドは本能のレベルで、大地のフォトンを食らう幻獣を憎み駆逐してきた。その幻獣とメギドとの境界が薄れてきているのだとしたら、それはこの世界の根幹の崩壊を予感させる。どうかヴィータであるソロモンの視線を通して、幻獣とメギドとの境界を見極めてほしい。

 

その後一部のメンバーは、バンキン族が軍団から一度盗んだものの、落として他の幻獣に奪われたという携帯フォトンの捜索に出る。メンバーはソロモン、マルファス、レラジェ、シャックス、モラクス、ロノウェ。携帯フォトンと幻獣の死体を見つけた一行は、状況の奇妙さに首を傾げる。他の幻獣に狩られたと思しき死体は、何故携帯フォトンを使わなかったのか。使い方が分からなったのだとしたら、何故盗んだのか。さらなる調査に意欲を示すソロモンだが、危険だとの周囲の讒言に翻意する。しかしその時、「地図でもあれば」という誰かの呟きに反応したのは以外にもシャックスだった。なんと彼女は追放前、不可侵軍団であるゲート・エクスプローラーに戦争を挑み、戦利品として地図を得ていた。その地図が今もシャックスのメギド体、すなわち魂に刻まれた記憶には残っているのだった。

シャックスの地図と現地の状況を見比べて、幻獣の不可解な動きの理由は判明した。近くにある非稼働ゲートにフォトンを供給して動かし、ヴァイガルドに渡ろうとしたのだろう。実際にそれと思しき非稼働ゲートを見つけたソロモンたちは確信を深める。しかし、そのゲートは最近使われた形跡があった。違和感からその場を離れようとした矢先、一行の前に現れたのは強力なメギド、元大罪同盟のベルフェゴールだった。

 

#64

「そのゲートに手を出せば次は殺す」そう言い残して一行を見逃した謎のメギド。拠点に戻ったソロモンたちは次の手を話し合うが、ブネは意外なことを口にする。「そいつを味方につけたい」

ベルフェゴールはコルソン、アマイモン、ジニマルと協力関係にあった。「敵の敵は味方」であるとして、中央(マグナ・レギオ)への対抗勢力であるまつろわぬ諸王にゲートを貸していたのだ。これにより、アマイモンらは比較的自由にヴァイガルドとメギドラルを行き来できていた。

しかしながらソロモンらのゲート発見の理由はコルソンらによる情報漏洩であり、ゲートの奪取を目論んでいると考えたベルフェゴールは、ヴァイガルドに現れコルソンを糾弾する。そしてゲート奪取を目論んでいる、かつマグナ・レギオの議席持ちであるソロモン王を倒すと言い残してメギドラルに消えてしまった。コルソン、そして同行のガープは後を追おうとしたが、既にゲートは足止めのために破壊されてしまっていた。

ベルフェゴールとの同盟を望んで、先程のものとは別のゲート跡地付近に駐留するソロモンはじめ数人。ソロモンは森の新しさとゲートの古さに違和感を持ち、考え込んでいた。そこに案の定ベルフェゴールが現れる。

ゲート封印の要領でフォトンスポットを閉じ、意図的に一帯を棄戦圏にしていたのではないか? ソロモンの推測を公定するベルフェゴール。そして交戦へともつれ込む。

ベルフェゴールに勝利したソロモンらは、シャックスの地図を見せることで、自分たちのゲート発見は四冥王の情報漏洩によるものではないことを証明する。ようやく疑いを晴らしたベルフェゴールは、ソロモンの味方になることを承諾して召喚を受けた。

 

安心したのもつかの間、拠点が軍団「罵美優蛇」に襲撃されているとの報を受け、ソロモンらは慌ててそちらへ向かった。罵美優蛇とは牙の内海を支配する軍団にして、かつてウェパルが総長を務めていたものである。

 

#65

ところ変わってジニマルは、かつての居城の荒れ方を嘆いていた。そこは、軍団解散を装うため一度捨てた場所であった。彼女はメギド72との同盟を悟られぬよう、暫くの間韜晦していたのだ。しかしそうしている間に、牙の内海は中央勢力の干渉を大きく受けてしまうようになっていた。

暫く前、ジニマルを含むフォルマウス四冥王はペルペトゥムの危機に駆けつけたが、軍勢をすぐに動かせたのも偶然ではない。ヴァイガルドへの大規模進行が起こるほど中央勢力が勢いを増す中で、まつろわぬ諸王の中心であるアマイモンは軍勢の招集と待機を行い有事に備えていたのだ。

 

拠点は大きな被害もなく防衛できていた。しかし、何故罵美優蛇はメギド72の拠点を襲ったのか、なぜこの場所が分かったのか。それを問うため、ウェパルを加えた小隊を編成し追撃を行うことを決める。(メンバー:ザガン、エリゴス、ブネ、ウェパル、モラクス、バルバトス、イポス、マルファス、バラム、シャックス、パイモンサルガタナス、ベルフェゴール、ハルファス、メフィスト、カスピエル、インキュバス、ナベリウス、バティン)

道中、罵美優蛇について議論をする一行。話題は現総長に至る。100年ほど前にメギドラルを離れたウェパルは、現総長であるウィチセを知らないという。現総長、又は初代総長リヴァイアサンの指名によって次期総長を決めるのが罵美優蛇の伝統であることを鑑みるに、これは異様なことであるとウェパルは言う。

偵察のため上空に飛び上がっていたマルファスが報告したのは、自軍を囲むように三方に敵が布陣しているという情報だった。罵美優蛇の得意とする戦術「罵美優蛇トライアングル」である。

拠点を襲撃しすぐに引いたのはこの戦術地点に誘い出すためであったかと歯噛みする一行。三つに分散した敵軍の一部隊に自軍戦力を集中させ、包囲網をとっぱする作戦をソロモンは決定した。

しかし、敵は一枚上手であった。地中に潜る幻獣を足止めに利用することで、本来海中・海上戦で活きる「罵美優蛇トライアングル」を陸上でも有効にしてきたのだ。一点突破作戦も封じられ、まんまと包囲網を狭められたソロモンたち。不利な布陣で迎え撃とうと覚悟を決めたとき、ウェパルがバラバラに逃げることを提案する。

(ベルフェゴール・レラジェ・ハルファス・ナベリウス・ザガン・ソロモン組:逃げつつ幻獣の掃討、カスピエル・インキュバス・サレオス組:逃走に専念、バルバトス・ブネ組、モラクス・エリゴス組:撹乱のためゲリラ攻撃、ウェパル・サルガタナスメフィスト組:敵の狙いが元総長ウェパルかソロモンかを見極めるため、投降を前提に敵に相対)

ウェパルの提案を容れ、敵の狙いを逸らしつつ分散した軍勢。一段落したところで、ソロモンは反撃に転ずる。ソロモンの指輪と5人のメギドという主力戦力を活かして敵勢力を削ぎ、軍団全体の生存率を上げるためである。

幸か不幸か、ソロモンたちが相対した部隊は総長のウィチセを含む一軍であった。

 

戦地の中心で、ウェパルは彼女が追放されてからの100年のことをサルガタナスから聞かされる。罵美優蛇は長らくまつろわぬ諸王から牙の内海を守り、マグナ・レギオ側勢力としての存在感を維持してきた。しかし、とうとう海を守ることはできなかった。マグナ・レギオの命令によりヴァイガルドに落とされた海は、他ならぬ牙の内海だったのだ。今や牙の内海は乾涸び、ほとんど荒地になりかけている。

マグナ・レギオの決定とはいえ牙の内海を罵美優蛇が守らなかったことへの違和感は、ウェパルをひとつの推測へと導いた。ウィチセはマグナ・レギオの指名により現総長の座についた、議会の傀儡なのではなかろうか。

その時三人の前にジニマルが現れ、驚くべきことを告げる。ソロモン王が牙の内海北の棄戦圏に布陣したことをリークしたのは自分だと言うのだ。愕然とするウェパルの前で、ジニマルは「道化戦争」という謎めいた言葉を口にする。

 

一方、ウィチセ率いる分隊を破ったソロモンたち。軍団長の危機を見せ、他の二分隊もこちらに引きつけることに成功する。全戦力が自分たちに向き、分散した他の仲間の生存率が上がったことに喜びながら、改めて撤退を再開する。その背にウィチセが投げたのは、ウェパルへの殺意の言葉だった。「そいつさえ殺せば、罵美優蛇は一つに……」

 

#66

逃げ延びた先で仲間の召喚を試みるソロモン。しかし、彼らを異変が襲う。何度指輪に力を込めても、空飛ぶ魚しか召喚できないのだ。

困惑しつつも牙の内海の勢力図について考察を進める一行。議論は一つの推測に行き着く。罵美優蛇は牙の内海をまつろわぬ諸王ーー例えばジニマル率いるアビスピアーズから守ってきたはずなのに、海を落とす作戦に反対するだけの発言権すら与えられなかった。これはつまりジニマルを撃退しきっていなかった、更に言えば、戦争のふりをしていただけなのではないか。二大勢力が相争っていれば中央も干渉はしてこない。しかしそれと引き換えに目立った戦果を挙げられなくなった罵美優蛇は、中央から軽視されるようになったのではないか。

牙の内海を進みながら、一行は次の手を考える。召喚による召集ができない中で、被害を増やさないためには罵美優蛇に再び攻められる恐れを絶つ必要がある。そこで一行は、初代総長でありそれ故に罵美優蛇に対して影響力を持つであろう、リヴァイアサンを探すことにした。

牙の内海を進む一行はやがて牙の内海の深部、「海を落とす」作戦で最も影響を受けた地域に到達する。

 

ジニマルに対峙するウェパル、サルガタナスメフィストの三人。そこに罵美優蛇総長ウィチセが現れる。一触即発の空気を破り、ジニマルは「これは四頭会合だ」という。メギドラルの海を守るという「原点」に立ち返り、海に縁の深いメギドたちが「関係者」として話し合おうというのだ。そのためにソロモン王との同盟を利用し、罵美優蛇に情報を流し、各勢力をひと所に集めたのだという。

 

#67

牙の内海の深部には「もうひとつの罵美優蛇」一派がひそかに拠点を設けていた。マグナ・レギオの息のかかったウィチセ一派ではない、かつてリヴァイアサンやウェパルが率いていた頃より罵美優蛇に所属していた者たちである。リヴァイアサンの雲隠れにより後ろ盾を失った彼らは、マグナ・レギオが強硬にウィチセを総長に据えたことに異議を唱えられず、息を潜めていたのだ。

とはいえ、ウィチセとて内心は罵美優蛇の理念ーー海を守るーーに忠実であった。しかしリヴァイアサンなき折、中央の決定に抵抗すれば軍団ごと潰される。そのため苦渋を飲んでマグナ・レギオの傀儡の座に収まっていたのだ。

 

ソロモン一行は、ベルフェゴールから不思議な話を聞く。ヴァイガルドにとって、フォトンは「新しい」すなわち世界が生まれた頃には存在せず、後から流れ込んだエネルギーであるという。あるいはこんな話もあった。メギドラルの戦争社会はメギドや幻獣を間引きし、より優秀なメギドのみで食い扶持を分け合うためのものなのだという。世界を共有する生命の総数の管理こそが文明化であり、その意志の実現のための枠組みこそがマグナ・レギオだとまで言ってのけた。

 

一行の前に、「もうひとつの罵美優蛇」の構成員であるハヤイカが現れた。斥候であった彼は少しの問答ののち、リヴァイアサンの名に反応し、そしてどこかへと姿を消す。

そしてその先で一行が出会ったのは、巨岩と見まごう巨体、石化したリヴァイアサンのメギド体であった。

リヴァイアサンを守りたい「もうひとつの罵美優蛇」は、ソロモンたちを中央または理術研究院の手の者と考え、暫定総長カイルみずから戦争を仕掛けてきた。それを破った後、想定外の事態が発生する。地面が割れ、リヴァイアサンごと地中に沈んだのだ。

 

「四頭会合」の場では、ジニマルとウィチセが事情を説いていた。アビスピアーズとしては、戦争のフリをしていれば罵美優蛇によって牙の内海を追われることがなくなる。罵美優蛇としては、有力軍団であるアビスピアーズの勢力を抑えるという戦果を上げることで、総長交代と軍団分裂による弱体化を囁かれずに済む。

しかし、ガープの追放はフォルマウス四冥王同盟の力を削ぎ、かつまたジニマルからウィチセへの信頼を損ねた。道化戦争のなくなった罵美優蛇は議会に大きな戦果を示せなくなり、次第に勢力を弱めて行った。その結果が「海を落とす」作戦である。

ジニマルは続ける。自分たちフォルマウス四冥王は、ソロモンの存在がこのメギドラル社会を変え、マグナ・レギオに代わる新たな体制を生み出すことを期待しているのだ。

 

分散したメギド72は、召喚によらないまま少しずつ再集結しつつあった。アーライの森近くの拠点を引き払った者たちと(?)、牙の内海の戦場から逃げた者たちが合流し始めたのだ。彼らはソロモンからの召喚の未だにないことを訝しみ、戦場へと反転して罵美優蛇を威圧することにした。(ブネ、パイモン、イポス、バルバトス、サレオス、バラム、モラクス、エリゴス、バティン)バルバトスは連絡のため一人拠点に戻ることになった。

 

#68

カイルとソロモンたちが落ちたのは、メギドラルの海とヴァイガルドの空とを繋ぐゲート内空間、通称「次元の狭間」だった。

一時休戦を決めた一行は、出口を目指す傍ら互いの事情を話す。カイル曰く、遠からず牙の内海は中央諸勢力の戦場に、そしてやがては棄戦圏になる。有力な軍団を失い痩せてゆく牙の内海は、最早フォトン争奪の場にしかならない。そしてその時、ウィチセの罵美優蛇は中央から切り捨てられ潰されるだろう。

中央が行動を起こすのは、恐らくはリヴァイアサンの死を確かめた時である。そのため牙の内海が戦争で荒れることを避けるべく、カイルの罵美優蛇はリヴァイアサンの死体を隠していた。

また、リヴァイアサンの石化は海にエネルギーを行き渡らせるための手段の結果であるという。リヴァイアサンは体にフォトンを溜め込み、海底の痩せた場所に行くと自爆し直接フォトンをばら撒くことで、海全体の環境を維持していたのだという。何らかの方法によって彼女は、自爆の後も十年程度で復活していたが、今や海が涸れて荒れ地となった現在地点で石化してからは、どういうわけか復活をやめてしまったのだという。

また、ソロモンの指輪から現れる魚はリヴァイアサンの一部であるとのことだった。

歩みを進める一行の上に、大きな影が落ちる。それはリヴァイアサンのメギド体であった。仮死状態であったリヴァイアサンの体が、急に大量のフォトンに晒されたことで意志のないゾンビのように空を泳いでいるのだ。

百年待って、リヴァイアサンは復活しなかった。きっと回生に失敗したのだろう。ならばせめて、理術研究院や中央のメギドに利用される前に……。指輪のフォトン操作に反応して襲いかかってくるリヴァイアサンの抜け殻を前に、それを倒す意志をカイルとソロモン一行は固めた。

リヴァイアサンを倒し、呆然とする一行。しかし、リヴァイアサンは生きていた。あの魚たちはリヴァイアサンの「情報体」だったのだ。指輪に魚たちをすべて取り込み再構成することで、とうとうソロモンはリヴァイアサンの召喚と指輪の機能の復活に成功した。

 

海の荒廃、マグナ・レギオによる牙の内海への干渉、そして武力侵攻の可能性。牙の内海の抱える問題を共有する「四頭会合」。しかしそのタイミングで、ジニマルの軍団員が中央勢力の襲撃を受ける。ウィチセの軍団内にスパイが存在し、ウィチセがメギド72やアビスピアーズと通じて会合を持ったことをリークしたのである。

ジニマルの麾下のヒューガルがあわやというとき、助けに入ったのはブネやモラクス、メギド72の軍勢であった。

そこに、会合を終えたウェパル、サルガタナス、ジニマル、メフィスト、そしてウィチセも合流する。ソロモン不在ではあるものの、罵美優蛇とメギド72とアビスピアーズ、全員の共闘によるマグナ・レギオとの戦争が始まった。

 

シャックス、マルファス、そしてブネを召喚したソロモンは、マグナ・レギオと牙の内海連合軍との戦いについて聞かされる。

 

#69

召喚により軍団は再集結しつつある。しかしメギド72,罵美優蛇、アビスピアーズは、マグナ・レギオ連合軍に対する圧倒的な数の上での不利を覆しきれずにいた。

 

#70

とある作戦を考えついたソロモンは、仲間たちと共に牙の内海上空の浮島を訪れていた。(ウェパル、アムドゥスキアス、シャックス、レラジェ、ロノウェ、ハルファス、拠点から走って駆けつけたアーライ)

それは「海を落とす」作戦である。浮島にあるゲートと「次元の狭間」に残ったゲートとを繋げるのだ。ヴァイガルドに「海を落とす」ために作られたゲートは、ソロモンの手によって出口側ーーすなわちヴァイガルド側ーーを封鎖された後も、その内部に海水を湛えたままでいる。指輪の力で「次元の狭間」ゲートの出口を浮島のゲートに繋げることで、莫大な水量でマグナ・レギオ連合軍を押し流すとともに、牙の内海に水を戻そうというのだ。

 

#71

浮島のゲートを処理したソロモンは、続いて「次元の狭間」深部、通称次元海溝のゲートに目標を定める。リヴァイアサンの作り出した潜水フォトン艦で深海に潜るソロモンとウェパル。幻獣の襲撃に遭いながらも、どうにか任務を全うする。しかし、過酷な任務にソロモンは意識を失ってしまった。そして真っ白になった視界の中で聞いたのは、母なる白き妖蛆の声であった。

 

#72

「『メギド』は『幻獣』とは『違う』!この世界は一体何なんだ!」錯乱し絶叫しながら目を覚ましたソロモン。だが程なくして、バティンの懸命な治療の甲斐あり、戦線に復帰する。

ソロモンらがゲート作戦に出るのと同じ頃、敵同士の会話から、マグナ・レギオ連合軍の中心が判明していた。その名はアッキピテル、バラムのかつての軍団員だった。彼はマグナ・レギオに牙の内海を献上することを密かに約しつつ、同時にウィチセを殺して罵美優蛇の議席を自らが得ると共に、戦争で強いメギドを選別し己の軍団を強化することを狙っていた。

敵の連合軍は戦場を崩落させる作戦を進めていた。地下に工作員を派遣し、地盤を刺激していたのだ。それは成功し、牙の内海連合軍は足元の崩壊によって大きな損失を出していたーーかに見えた。

しかし、それこそが牙の内海連合軍の偽装工作であった。メギド72の軍団員がマグナ・レギオ側を装って地盤の崩落を触れ回り、敵を特定のエリアにそれとなく誘導していたのだ。地下に落ちたメギドたちは、ソロモンが指輪で召喚し救出する。同時に、攻め寄せる敵軍を正面でいなし、じりじりと後退しながら狙いの場所に引きつける。メンバーにサタナキアを加え、再考した作戦である。狙いの場所とは罵美優蛇とアビスピアーズの包囲の中心であり、かつ海を落とす地点である。

浮島の上ではゲート操作役のサルガタナスフォトンスポット閉鎖役のベルフェゴール、脱出役のアムドゥスキアスが待機している。地上の戦場からの合図で海を落とすためのゲートを開き、同時に浮島のフォトンスポットを閉じて浮力を失わせる予定である。大量の海水と同時に浮島をも落とし、破壊力を上げるのだ。

敵の進軍の流れを作り作戦も大詰めに差し掛かった頃、パイモンがバラムの不在を報告する。単身、敵大将でありかつての部下であるアッキピテルに接触しに行ってしまったのだ。驚愕し、連れ戻しに走るソロモン。同行するのはロノウェ、シャックス、マルファス、ウェパル、モラクスである。

激昂したアッキピテルをどうにか打ち負かした一行。その頃、既に海を落とす作戦は始まっていた。

ついに牙の内海連合軍は勝った。敵を皆殺しにし、海を取り戻したのだ。無数の命を飲み込んで何かを得ようとするメギドラルの戦争、命を奪い合うことでのみ推し量られる「価値観」を共有するための戦争社会である。未知の世界のあり方を目撃したソロモンは、胸に受けた衝撃に嘔吐を催していた。

その頃、ソロモンたちの動きを察知する大メギドがいた。八魔星の一人、マモンである。敵対か恭順か、いずれにせよ連れてこぬことには分かるまい。そう言ってソロモン王を見つけに出たのは、副官のイヌーンであった。